お久しぶりでございます、うさこです。だいぶ間が空いてしまいました。
昨年から記事が途中で止まってしまっている菌ちゃんふぁーむでの日々を綴りますね。
菌ちゃんふぁーむの顔である吉田俊道さんは、ご存知の方はご存知の通り、その強烈な個性が魅力ですが、菌ちゃんふぁーむには、他にも個性的な方々がたくさんいらっしゃるんです。
中でも、宇宙人同士近しいものを感じて仲良くなった(とうさこは思っている)M氏とのやりとりはちょっと煌めいていました。男女としてではないですよ、宇宙人同士としてってことです。
「僕、気球人と宇宙人とのハーフなんですよ。」
色黒で細身の長身、インド辺りに住んでいそうな彫りの深い美男子、それがM氏です。
M氏はかなり人見知りのようで、仕事に関することや当たり障りのない会話はとつとつとしてくれるものの、その他の生活場面では、ほとんど会話がないと言っていい。
菌ちゃんふぁーむの事務所は昔ながらの日本家屋で、そこに住み込みの社員とアルバイトや農業研修生が寝泊まりしています。
朝、台所で朝食を食べたり顔を洗う時に顔を合わせても、M氏は挨拶以外は無言で通り過ぎていきます。
菌ちゃん先生こと吉田俊道さんには「長靴以外は全部揃っているから、持って来なくていいよ!」と言われたけど、相手によって言うことがまちまちなようで、生活に必要な物が細々と揃っていなかった。
洗濯物を干すのにも物干しがなくて、意を決して菌ちゃん先生の事前の案内と共にM氏に申出たところ、苦笑いをされました。
ちょっと、怖い人なのかな…。
そう思って適度な距離感を保っていたのであります。
お風呂の一件
菌ちゃんふぁーむのお風呂は、薪風呂です。
その薪風呂がとてつもなく気持ちいんですね。ただし、一日の農作業で疲れた体を温めるには、自分達で風呂を沸かさねばならない。
ある時、M氏達社員が不在で自分達でお風呂を沸かすことができなかったうさこは、太陽光発電で温まっているはずの水でシャワーを浴びようと思いました。
しかし。しかし、…水しか出ない。
体は慣れない農作業で疲れている。そこに水シャワーで、うさこは打ちのめされたのです。
そして、帰ってきたM氏達に半泣きでお風呂を沸かしてもらい、ようやく事無きを得ました。
時は11月の初旬であり、長崎は暖房を付ける程でもないけれど、かなり冷えました。
これは、絶対にお風呂の沸かし方を教えてもらわなければならない。死活問題である。
別な方に教えを請うたところ、なぜかM氏が自ら指南役を買って出たのです。
何事か。
「まず、火を付ける焚き木を割ります。」
丁寧に説明をしてくれるM氏。
教えてくれる通りに、焚き木用に薪を更に鉈(なた)で切り、紙や松の葉と一緒に釜に入れて、火を付けます。
一つ一つ作業をしながら、お互いの経歴などについて楽しく会話し、場が温まってきました。
そして、この言葉が出たのです。
「僕、お父さんが地球人で、お母さんが宇宙人なんですよ。お母さんは、僕が病気の時に宇宙医療団みたいな人達と連絡を取って、僕を治してくれました。」
えへへ。
屈託なく笑うM氏に、しばし言葉を失ううさこ。
そして、光を放ち始める釜の炎。
いや、そういう方達というのは、YouTubeではよく見ていたわよ。
けれど、直に会うのは初めてよ。
そして、とどめの一言がこれでした。
「うさこさんも宇宙人ですよね。」
「うさこさんも宇宙人ですよね。」
みなさん、この時のうさこの衝撃を想像してください。
「え……。どの辺が?」
努めて冷静を装い、声や表情に出さないようにして聞いてみるうさこ。
「んー、全体的に?節々に漏れていました。」
節々じゃなくて、端々ね。
…そうかあ、漏れてしまっていましたかあ。
しかも、全体的に。
そんなに漏水していましたか。
いやあ…、他人から言われたのは初めてだわあ…。
宇宙人ネタが大好き。
スピリチュアルな話が大好き。
何なら、エンジェルカードや妖精カード、キキララのタロットカードも持っていますよ(鏡リュウジさんとキキララとの共演に我慢ができずに、本屋を探し回って買いました)。
でも、どこかで自分は「そういうのが好きな人」であって、そうは言いつつ「うさこは地球人」だと思っている節がありました。
それにしては地球社会って馴染めないよね、地球ってテレパシーとか使えない(いちいち言葉を尽くして説明しないと、気持ちや人柄を分かってもらえない)から不便だよね、とか思ったり。
つまり、その自己認識がそもそも間違っていたんですね。
うさこは宇宙人でしたか…。
長年の葛藤に終止符を打つ時がやって来たのです。
それは不意に、突然に。
それはこの宇宙人とのハーフであるM氏によって。
M氏は、異様に光を放つ釜の前で嬉しそうでした。
<その2>へ続く
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