『妖精の警告』(奈良大阪③)

うさ旅

はじめに

 前回の記事はこちら

 今回は、年内に奈良大阪の旅を全部投稿する(できるか)ことを目標に、二本立てでお送りします。

『妖精の警告』

 むっとした勢いで、夜見ちゃんに打ち返すように返信をした。

 「あれ、あの時、丹生川上神社下社に行くよって話したよね。夜見ちゃんが行った方がいいんじゃないの。」

 この日は夜見ちゃんに加えて母にも胸の中で怒り散らし、心がささくれ立っていた。そうしてお風呂から上がった後に暖房の前でふて寝をして、目が覚めたのは午前4時近かった。わたしは毎日、自分への言葉を聞くために妖精カードと天使カードを引く習慣があり、この日も寝ぼけ眼でそれらを引いた。

 妖精からは「①Autumn, ②Do Some Research, ③Spiritual Teacher」、天使からは「①Healing, ②Study, ③Friendship」だった。

 天使の意味は、「①感情が癒やされていますよ、②今やっている勉強を続けなさい、③交友関係で得るものがある」、妖精は「①この秋に、②調べなさい、③霊性の先生、②③がいっぺんに来る」という内容で、妖精の②のみ意味がよく分からなかった。これが後から、とんでもない意味であったことが発覚する。

 翌朝、というか昼近くに夜見ちゃんから返事がきた。昨日わたしが打返した案件についての返答だった。

 「あの時、もう一ヶ所とは聞こえたけど、丹生川上神社さんかは分からないって伝えたよ。あの時は言わなかったけど、行く場所が決まってるのに、もう一ヶ所なんて、わざわざ伝えてくるかなとは思ったよ。私としては、それは本人達に伝えてよって。

 玉置さんの場所までは把握してないし、和歌山かと勝手に思っていたくらい。まぁ候補に上がってたなら、再度検討してみてもいいかもね。

 多分だけど、もし玉置さんに行くとしたら、自分達が行くって決める必要があるんじゃないかな。それを踏まえた上で、早めにうさちゃんへ玉置さんて伝えて欲しかったんだと思うよ。

 私個人の気持ちとしては、サクメイクエストの方みたいにチャネリングやリーディングができるわけでもないのに、こんなことを言ってもいいのかなって迷いもあるんだよ。」

 無茶振りだ、明らかに無茶振りである。いつもは自信がなくておどおどしているくせに、この件に関しては譲らない上に、若干上から目線で物を言ってくるのも氣にいらない。迷いがあるなら言うなよなっ。夜見ちゃんに対する苛立ちがまた鎌首をもたげてくる。反抗期さながらである。むっときたついでに、どんな存在がそんなことを夜見ちゃんに言ってくるのかを問い詰めた。

 「誰かは私が知りたいよ、毎回。確かに無茶振りだと思うよ。でも、行く行かないは委ねられてんじゃないのかな。丹生川上神社もいいけど、改めて玉置神社も検討してみたら…ってお知らせみたいなものじゃないかな。私は、どっちを選んでもいいと思うよ。自分がピンと来た場所でいいんだよ。」

 むっかあ。なんであたしが夜見ちゃんから助言されなきゃいけない訳。完全に心を逆撫でされつつも、いつもは押しの弱い夜見ちゃんがここまで譲らないのも珍しいと、そう思った。その一方で、阿闍梨とは夜見ちゃんの提案もお構いなしにそのまま日程を詰めていた。すると何の脈絡もなく、阿闍梨が「玉置神社は呼ばれる人しか行けないらしいね。」と玉置神社の名前を出してくる。そんな話、今まで一回もしていないよね。

 何なんだよ、突然。どいつもこいつも玉置玉置って言いやがって。もう十分圧力を感じるよ。何からって、神様からの圧力をな。それに玉置神社は索冥が既に訪れた神社でもあるから、一層検討を迫られているように感じられる。

 そこで阿闍梨に夜見ちゃんから玉置神社行きを提案されていることを伝え、もう一度所要時間などを調べることにした。諸々の都合を検討した結果、丹生川上神社の上社と中社を外せば、今回の日程で何とか玉置神社まで行けることが分かった。雪を心配するわたしに、阿闍梨が「雪とかは大丈夫かと感じる。何故なら、呼ばれている感じもするから(前向き精神が出た)」と心強く返してくれる。天氣予報を調べても、奈良入りの日が雨以外は前後は晴れである。

 そしてふと思い出した。昨夜というか朝方に引いた妖精カードの「②調べなさい」の存在を。説明書に書かれている意味は、ざっと訳すと次の通りだった。

 「このカードは、あなたが十分な理解なしに決断を下そうとしていることを示しています。示された導き(直感やサイン=しるし、または誰かが言うこと)に従いなさい。そうすると必要としていることを受取るでしょう。この情報を得たら、あなたは元々の計画を変えなければならないかもしれません。心配しないように。これは、長期に渡る多くの祝福を蓄積するための前向きな変化です。」

 ひい。心の中で悲鳴を上げた。何だか泡を吹いて卒倒しそうな氣分だ。書かれていることそのままのことが起こっている。夜見ちゃんにその旨を伝えると、

 「予定外のことにイラっとする気持ち分かるよ。でも行く流れだったんだよ。旅に出る前にネタまで作っちゃって♡」

と言われたので、「笑わないでっ」と返信しておいた。

 わたしは天使とのご縁が深いと思っていたけれど、妖精からの警告という形での助言もこんなに強力に現実を捉えていることをこの時強く思い知らされた。

編集後記

うさこ
うさこ

今振返ると、妖精の「Do some research」の他に、天使の「Friendship」も示唆的だったなと思います。友人達の力も色々と絡まり、合わさって今回の奈良大阪の旅が動いていたと思うんですよね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました