『魔女と天使と座敷童』(奈良大阪④)

うさ旅

はじめに

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『魔女と天使と座敷童』

 「レムリアの魔法学校」の浄化を受けたり、うさこの5人会で友人達と霊性全開の話をしているうちに、わたしも自分にできることでお金を稼いでみたいと思った。妖精カードと天使カードで人を見たことはなかったけれど、毎日自分に必要なことを質問しているうちに、妖精達や天使達がカードを通じて伝えようとしていることは感じ取れるようになってきていた。「レムリアの魔法学校」の浄化を経て、自分の能力を出してももう辛い目に遭うかもしれないという恐れは取除かれた。

 そう思った矢先に、懇意にしている自然食品店に置かれていたチラシが目に留まった。さとうみつろうさんのまんまるマルシェがまた11月末に開かれるというものである。そのチラシを手に取ったのが月曜日、それを見て考えているうちに、自分も出店してお金を稼いでみたいと構想を練り始めたのが火曜日だった。そして、自分でもどうかしていると思ったが、魔女として占い師をしてみようと思い立ち、しばらくじりじりと考えた末にダメ元で主催者に参加申込みをしたのが水曜日だった。マルシェはその次の日曜日だ。果たしてこんな直前で参加の許可が出るのか。どきどきした。そして翌日の朝早くに、出店許可の連絡をもらった。そこから、阿闍梨との奈良の旅の準備と同時並行で、急ごしらえの占い師出店準備を始める。思いっ切り可愛く、思いっ切り明るく行こうと決めていた。告知をした限られた友人知人のみなさんは、不思議と盛大に応援してくれた。傍らで、阿闍梨が奈良でのレンタカーの利用手続きを進めてくれている。わたしはお釣りを用意するために銀行に行き、両替で手数料の支払いが必要なことを初めて知ったりと、今更な社会勉強をしながら、細々と必要な物を揃えた。そしてさらにその傍らで、夜見ちゃんの自分を過小評価する癖や自信のなさ、思っていることをなかなか言葉にしないことなどに対して、日頃から溜めていた鬱憤をぶちまけた。

 すると、夜見ちゃんからこんな返信が来た。

 「たとえ、お友達のことで何かピンときたことがあって、伝えても決めるのは本人なんだよね。すごく当たり前なんだけど。だから、伝え方には悩むよ。どんな道でも本人がきちんと選ぶことが大切だから、決めつけないように言葉は選びつつも、自分が感じたこと素直に伝えられるように。受取った人がちょっと違う取り方してたらコミュニケーションを重ねてみる。それでも伝わらない時もあったけど。

 たとえ自分がピンときたのと違う方を選んだとしても、尊重することを心がけてるかなあ。これは占いも同じじゃないかなぁと思ったよ。

 後ね、今回の旅行の件は、5人会で「もう一ヶ所」と伝えた時点で一度、うさちゃんにボールを投げたつもりだったの。うさちゃんと阿闍梨さんの旅行だし、後は2人で検討するかなぁと思って。

 だけど、ボールが届いてなかったんだよね。私も、あの時『行くところ決まってるのにもう一ヶ所なんて言わないと思うよ』て、もう一押しすればよかったと反省してる。

 あの時、うさちゃんは受け取りませんって受取り拒否してなかった?だから、ボールを受取らなかったのかなとも思ったんだよ。私以外からもパスはあっただろうし。

 これは、私自身が人生振り返って思うことなんだけど、エゴとかトラウマのフィルターって本当は大切なボールとかパスをスルーしちゃうんだよね。きっと人生いろんな場面で受取れなかったモノがあるんだと思う。

 今回はギリギリだけどパスも出せたし、うさちゃん受け取った。私も、うさちゃんも、もういい加減フィルターを外して受取りなさいってことかもよ。」

 ぐっと言葉に詰まった。夜見ちゃんの言う通りだ。返す言葉を考えているうちに、返信は保留にしてしまった。いよいよ、明日が日曜日、魔女占い師の本番当日である。

 わたしにとってはかなりな早起きをした朝早く、会場に着くと主催者の女性がわたしを出店場所まで案内してくれた。「魔女さん、ついていますよ。すごくいい場所に出店してもらえることになったので」初出店なので何がどうついているのか分からなかったけれども、いい場所を充てがわれたらしかった。隣同士の出店者と挨拶をしながら、お客さんが来るのを待った。友人からもらった石の本を持参し、時間が空いた時はその中で紹介されていたワンドという形に削った鉛筆で魔法をかけ、その度に新しいお客さんが訪れた。みなさん、ご縁と時機が結びついていらした方ばかりで、喜んでくださったと思う。でも、自分では天使や妖精と繋がっている感覚があるとは言え、初めてお会いする方に何の根拠もないと言えばないことをお伝えするのは勇氣と責任感を必要とした。夜見ちゃんが「こんなことを言ってもいいのかなって迷いもあるんだよ」と言っていた氣持ちは、強氣のうさこでもよく分かった。

 マルシェでは、ひょんなことからマルシェに参加していた女性と天使の話題で意氣投合し、そこから座敷童の話になった。そしてその方の友人の女性は座敷童からとても好かれているそうで、自宅には座敷童がいるらしい。

 これは何の偶然なんだろう。「実はわたしももうすぐ座敷童の宿に泊まる予定なんですよ」「えっ、岩手のあの有名な宿ですか」「いや、天河大辨財天社の方なんですけど」「あらあ、そっちなのお。関西なのねえ」「なぜか今回は玉置神社にも行くことになって」そんな話をしたら、その友人の女性から「ええっ、玉置神社に行くんですかっ。私、なぜかずっと行きたいって思っていたんですっ」とまた俄然食い付かれ、代理参拝はできないけれどもと、御守り等のお使いを仰せつかる。そこから見えない世界に関するお互いの経験や興味関心事について話に花が咲き、あっという間に旧知の仲のような関係になった。彼女達の話によれば、座敷童にも全国にまたがる情報網があるらしく、また天河の座敷童と会った後に情報交換をしましょうということになった。

 いやあ、初めてのマルシェなのに思いがけない出会いまで得てしまった。わたしらしいな、と誇らしくなったのも束の間、翌日は毎週参加している英会話カフェでその座敷童とこれからの旅の話をすると、英会話の先生(日本人)から「わたしも山形県にある座敷童のお店に同居人と行ったことがありますよ。何でしたっけ、あのオーブが写りました」なんて話を聞く。彼女は割と現実路線だが、こういった話にも理解を示してくれる。額にほくろがあり、どことなくお地蔵さんのような慈愛に満ちた氣遣いのある女性で、わたしはそんなところを尊敬している。そんな関係性が本当に心地いい。

 さてさて、買いそびれていた大好きな漫画の新刊を買って帰ろう。その前の欠けている巻も揃えたかったが、生憎在庫はない。本当に漫画でさえも品薄で、出版業界の厳しさを窺い知る。そうして自宅に戻り、内容も全く知らずに読んだところ、その漫画までもが座敷童に関することだった。しかも、文脈は全く違うけれども、白麒麟である索冥を遣わした瀬織津姫の名前まで何かの鍵のように登場する。突然、心臓がどくどくし始める。一体、何なんだろう。何の示し合わせなんだろう。阿闍梨と天川村に行き、索冥が降り立った神社巡りを始めるのは明後日。わたしは明日、夜見ちゃんの家に前泊させてもらい、そこから阿闍梨と合流する。

 旅行の用意は全く整っていない。それなのに、座敷童の情報が押寄せてきて、また索冥や鳳凰がちらつく。江島直子さんの動画を中心によく見ている霊性に関する動画を総ざらいする。ようやく旅の支度が整ったのは、深夜2時を過ぎた頃だった。

編集後記

うさこ
うさこ

 この旅の直前に起こった出来事が多過ぎて、今回はかなりの長文になってしまいました(汗)。

 夜見ちゃんに本音と本領を発揮してほしいという思いが強過ぎて、友達とは言え、色々と失礼なことを言っていたなと後から反省します。でも、そういう本音でのぶつかり合いも必要なのかなと。そんなことはお構いなしに次々とやってくる符号や暗示を受止めて咀嚼するので精一杯で、細やかに対応することが全くできませんでした。怒涛の旅の前夜です。

 こんな感じで占いをしました。

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