はじめに
前回の記事はこちら。
今回登場する古武術の話はこちらから。
『可愛さと趣味と』
ちょっと、これ可愛いと思いませんか。

本を見て作ったんですけど、可愛過ぎる。
最初は別な作品を親戚の子達に編んであげていて、その子達のお母さんにこれを編んだんですよ。その子達に頼まれて編んだ物ではなくて、こんなのをもらったら嬉しいんじゃないかって、わたしが勝手に贈りたいと思って作った物だったんですが、子ども達は受け取ってくれたものの、その子達のお母さんに「どうかな」って言ったら、いらないって言われたので(涙、苦笑)、晴れてわたしの物になりました。
この一番最初に作った巾着は色も灰色と白で、自分で編み始めてからもそんなに可愛いと思って作っていなかったので、まあこんなもんか、ぐらいな印象だったんですよね。そのお母さんも編み物が好きという訳ではなかったし、手作りの物を喜ぶ人でもなかったので、わたしもこんな物をもらってもねって思うよねって、半ばしょうがないやっていう氣分でした。
だったんですけど、旅行の時に生理用ナプキンを入れるのに使ったりしていたら、あれ、なんかこれ可愛いんじゃないかって思い始めて、地味だと思っていたけど段々と好意と愛着が湧いてきたんですよ。スーツケースを開けた時にころんと入っているのを遠くから見た景色とか、持ち上げて見た感じが、この子可愛いって思って。
そうしたら、『うさ旅奈良大阪編』でおなじみのわたしの友人夜見ちゃんが、この巾着を見て可愛いって言ってすごく褒めてくれたんですよ。ええ、嬉しい。やっぱりそう思うよねって盛り上がった。
これは元々の本では一色で編んでいるんですね。何でわたしは二色にしたかと言うと、同じ毛糸で他の物を編んでいて、毛糸が足りなかったという単純な理由から。本体部分から口を絞る網目部分に切り替わる所で糸の色を白に変えたら可愛いんじゃないかと思ってやってみたら、自分でも満足のいく女の子らしい作品に仕上がったんですよ。
夜見ちゃんから褒められて氣分を良くしたうさこ、いつもお世話になっている夜見ちゃんに誕生日のお祝いをするのをすっかり忘れていたので(こういう記念日とかをよく忘れるんだけど、良くないよねえ)、誕生日プレゼントに一つ編むことにした。
この本は、かぎ針編みを始めた時に本屋さんで見て一目惚れした本で、掲載されている作品が可愛過ぎて、思わず購入してしまったんです。作品毎に色々な編み方を用いていて、一冊持っているだけで模様編みがいくつも習得できてしまう優れ物なのである。

でも、当初可愛いと思った模様でも、かぎ針編み経験のある方だと分かると思うんだけど、リフ編みとか、載っている編み図の網目で頭がこんがらがっちゃって、編みかけで挫折している屍達が続出しているのも影の事実なのである。
この巾着も、最初はちゃんと編めるかなって不安だったんですけど、大丈夫、大丈夫と言い聞かせて編んだら上手く編めました。わあい。
ということで、一度編むことができたらばこちらのもの。夜見ちゃんには、長年憧れだったオーガニックコットンの糸を使って編むことにしたんですよ。

このオーガニックコットンの編み糸「Paume(ポーム)」は手芸店で見つけて、オーガニックコットンであることとその色味の柔らかさから、いつかこの糸で小物を作って見たいと思っていた。
前回の記事で、「まずは基本に忠実に作べし」って書いたんだけど、なかなかそれが実践できない理由があるんです。その一つがこの「自分で見つけた可愛い毛糸を使いたい」という欲求からくる基本の逸脱によるものなんですよね。
大体、一番最初は掲載作品と同じ毛糸と同じ号数の編み針を使った方が、大きさも作品に仕上がった時の感じもお手本と同じになるので、編み方が緩かったりきつかったりとか、編み目の間違いとかにも氣付きやすいんですよ。
そうなんだけれども、そうなんだけどね。
わたし、この作家さんが大好きなんだけど、こんなことを言って、本当に、本当にごめんなさい。

この本のこの作品ね、作品自体は可愛いのに、どうしてこんなおばあちゃんが選んだような昭和の毛糸みたいなのを使っている訳って思っちゃってさ。この本に限らずなんだけど、編み物本って、作品自体は可愛いのに、毛糸の色とか素材がいまいち洗練されていない物が多かったりする。
そんなところにこの「Paume」が登場した訳なんですよ。これなら絶対に可愛い物ができる。少し値は張るけど、出来上がった物にはそれだけの金額をかけた価値があるはず。
そう思って、今回は「Paume」一色で編みました。
それがこれです。
じゃん、どうですか。


最強としか言いようのない、身悶えするような可愛さでしょう。
どこから見ても100点満点。ミルクティみたいな淡い灰茶色、玉編みが点々と入った丸みのある形状、口を縛る紐と格子状の編み目、大人女子も大好きな要素を詰め込んだ思わずため息を漏らす可愛さである。しかも、奇跡みたいにちょうど糸が二玉ぴったりで編み上がったんですよ。これもすごい。最後の方は、糸が足りるかなってひやひやしたけど。
さらに、色違いで自分用にも編みました。

こっちは玉編みを小さくするために、玉編みの編み目を一眼減らしました。その分、ちょっとだけ毛糸が余っちゃったけど、本当に少しだけ。
今回、上質のオーガニックコットンを使っていて氣付いたことがあったんですよね。この玉編みの巾着は出来栄えもさることながら、なんと、編んでいる途中の編み地や糸の手触りが柔らかくて手に優しくて、その編み心地も本っ当に心地良かったの。編む時間自体に幸せを感じました。
この後、前に安いからって○イソーのリサイクルコットンの編み糸を買って編み半端になっている物を編んだんだけど、かなりゴワゴワした触り心地で身体がぞわぞわして嫌がっていて、糸の素材でこんなに体感まで違う物なのかってびっくりしたんですよね。
以前、古武術教室の記事を書いたけど、その先生が仰るには、体は頭異常に物の質を分かっているんですって。思考よりも触覚や体感の方が、正確にその物の本質を捉えているっていうのは、まさにこのことだなって感じました。
うさこは編み物をする時に大切にしていることがあって、、単に可愛い物が編めればいいだけじゃなくて、できるだけ天然素材を使って、体にも心地良い物を編みたいんです。そうすると、編む人にも使う人にも優しいでしょう。持つ人の体幹も整えてくれる作用があったら、一石三鳥ぐらいになる。
そんな素敵な物を生み出していけたら良いなと思っております。
まとめ

今回は、かぎ針編みで作った作品が可愛くできたっていう話のはずが、古武術に絡めるという意外な展開になってしまった(笑)。趣味の世界の何が良いかって、思い描いた物を自分の手で作り出す楽しさと、それによって得られる満足感じゃないかな。
それと、この触感や体感って自分の本能を鍛えるのにとても重要な感覚だと思っていて、わたしも古武術教室に参加してはっとしたんですが、現代人って思考過多で脳味噌だけで世界を捉えているところがあって、自覚している以上に体感とか触覚を使っていないんですよね。でも、肌触りが氣持ち良いとか、舌触りがぬめぬめして氣持ち悪いとか、そういう感覚が自分のいる場所が安全かそうじゃないのかを教えてくれる計測機器の役割を果たしてくれている面があると思うんですよ。
趣味でも暮らし全般でも、できるだけそういう感覚も大切にして、人生に楽しみを増やしていきたい。

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