『読書をしたくない人へ』

うさこの本棚

はじめに

 速読を習得している人は少ない。そもそも、今は読書する人自体が少ないから、それ以上に速読ができるようになりたいと思う人はもっと希少種なのかもしれない。

 今日は、きっと現代に生きる多くの人が感じているであろう読書をしたくない理由について考えてみたいと思いまする。硬い内容だと思うので、文体は少し砕けてみます。

 前回の記事はこちらから。

速読の恩恵

 わたしは本を読むことが好きなので、もっと本が読めるようになりたくて速読を習得したのですが、恐らく多くの方々は、本を読む機会自体がほとんどないのが実情ではないでしょうか。

 本を読めない理由として、次の要素を考えてみました。

  • 本は読むのに時間がかかるから、読むのが億劫。
  • 既に電子媒体に大量の娯楽があるから、敢えて本を読む必要性を感じない。
  • 時間がないから、長い文章を読むより、効率的に情報を得たい。
  • 本はかさばる、場所を取る、邪魔になる。

 うんうん、そうそう。

 4つの項目のうち、そんな風に1つでも当てはまる方はどのぐらいいるでしょうか。

 まず1つ目、①本は読むのに時間がかかる。

 結論から先に言ってしまえば、本は読むのに時間がかかるというのは、思い込みだよ。ずらっと並んだ文字列を見るだけで圧倒されて、抵抗感が湧くのは分かります。でも、それは一文字ずつを音声で読み上げているからではないのかしら。この「頭の中での音読」体制で読むと、読書速度は自ずと遅くなります。

 文字を認識して、音声に変換し、それを読み上げる。それだけで3つの工程を経ているでしょ。そら、時間がかかりますわ。わたしが速読の会で言われて、確かに、と思ったことが、「小学校に入ると、文字を一文字ずつ音読しなさいって言われるでしょ。それがみんなの読む速度を下げているんだよ」ということ。

 わたしも最初は「脳内音読体制」だったんですが、速読の練習をするうちに、文字を認識する、だけで脳内に意味が入ってくる状態になりました。しかも、脳内での音声変換って思っている以上に時間がかかっていて、その反面で視覚情報の処理ってかなり速いんですね。ちょっと今回は根拠となるような実験結果とかはお示しできませんが、体感としてそう感じます。さらに、聴覚情報を短期記憶に保存できる容量って、「7つ±2」と言われていて、視覚情報の記憶容量よりもはるかに低い。だから、音声で読んでいると、本の内容ってあんまり覚えていないんじゃないでしょうか。速読した場合は、本の中身を覚えていられる割合がぐっと増えます。不思議でしょ。

 わたしの目標は、新書や実用書なら一冊1時間が目標です。今はもうちょっと速いかな。

 わたし達の能力って、実はもっと高いんですよ。

 次に2つ目、②既に電子媒体に大量の娯楽があるから、敢えて本を読む必要性を感じない

 確かに娯楽に溢れているけれど、自分の依存性を利用されている場合が多いよ。特に電子媒体上にあるSNSは、「どうやったら利用者の依存性を高められるか」を密かに、非常に研究しているらしいので、漫然と脳内の快楽物質に任せて利用していたら、思考力も自制心も、主体性も判断力も奪われて、「反応するだけの動物」「収益化される生き物」になっている可能性は大だと思われます。(詳しくは『書店の事情』の書籍紹介を見てね)

 続いて3つ目、③時間がないから、長い文章を読むより、効率的に情報を得たい。

 これはわたしも一時期ずっと思っていたんですが、情報取得の効率を重視するなら断然速読が有利でしょうね。だって、どんなにまとめ記事を読んでも、表面をなぞっているに過ぎなくて、自分の中に本当に落とし込まれた知識にはなっていないんじゃないかしら。

 仮に、新書を一冊1時間で読めるとして、一日30分の読書を習慣にしていれば、2日に一冊は読める計算になります。しかも、本の記憶量はそれまでの何倍以上にもなる。著者が提唱している背景まで丸っと理解できるので、理解力は深まります。さらに、速読の力量が上がるほど情報の収集力や判断力が上がるから、生活の充実度は上がっていくんですよ。時間がない中でも情報の収集量と質を高めていく。そんな生活が可能です。

 最後の4つ目、④本はかさばる、場所を取る、邪魔になる。

 あなたは、本を読むのは一度切り、そう思ってはいませんか。特に紙の本は、重いし場所を取りますよね。

 でもそれは、一回しか読まないからではないでしょうか。確かに、読みたい本を無尽蔵に買っていると、本棚にどれだけ余力があってもすぐに本で埋まってしまいます。わたしもかつては「本を持っていることが財産」と思っていた時代もありますが、今は「何度でも読みたい本」を厳選して、本棚に殿堂入りさせています。何度も読むべき本こそ、あなたにとっての財産になる。持つべき価値があるんですよ。

 自分にとってそれだけ価値のある本が本棚にあると思うと、とても豊かな氣持ちになりませんか。

 人の脳には毛様体賦活系もうようたいふかつけい(通称RAS)という脳の神経回路があって、そこが自分の関心のある情報を拾っているそうなんです。だから、自分に関心のない事柄は無意識のうちに捨てているんですって。一度本を読んだつもりで、たまたま2回目3回目と読んだら、あれ、こんなことが書いてあったかなと思う文章を見つけることはありませんか。わたしはそれで同じ本を3回読んだことがあります。それは、この毛様体賦活系の働きによるものと考えられます。納税額日本一で有名な斎藤一人さんが、カーネギー著『人を動かす』を7回読んでねと言うのはこう言うことなんでしょうね。

 それだけ、一冊の本の中には莫大な叡智が詰まっているということです。

まとめ

まとめ
  • 本は読むのに時間がかかるから、読むのが億劫。
  • 既に電子媒体に大量の娯楽があるから、敢えて本を読む必要性を感じない。
  • 時間がないから、長い文章を読むより、効率的に情報を得たい。
  • 本はかさばる、場所を取る、邪魔になる。

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  • 「本を読むのは時間がかかる」は、思い込みだよ。
  • 電子媒体には依存度を増す仕掛けがされているよ。
  • 時間がない人こそ、速読で情報収集が効率化できる。
  • 何度も読み返す本こそ本棚に置く。

 読書と速読の習得で、人生ってもっと充実すると思う。

 あなたは擦り切れそうな楽しみだけで人生を生きていくの。

 本を通して先人の知恵や現代の知性に触れる機会を増やす。そのことで、今の自分には解決が難しいと思う状況がすんなり解消されたり、自分が満たされていくと思いますよん。

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