薪風呂を一緒に沸かしながら、宇宙人同士であることを確認し合ったうさことM氏。
人見知りの人は一見無愛想に見えるので、最初は怖い印象がありますが、打ち解けるととても優しい人だったりします。
そうして、M氏と一緒に仕事をする機会も増えてきました。
菌ちゃんふぁーむのお仕事
菌ちゃんふぁーむは、糸状菌などの有用菌を使った農法で、ほぼ無農薬、ほぼ無肥料でありながら、ビタミンやミネラル、抗酸化物質などの栄養素たっぷりで美味しく体にもいいお野菜を作っています。
地球の循環の仕組みを解明し、それを上手に活用しているので、本当に感動します。
仕事は、葉物野菜や根物野菜の間引き、収穫、手作業での雑草取りから始まります。
出荷する葉物野菜は、効率を考えて、なるべく土を付けないように収穫しなければなりません。
でも、仕事はお野菜を栽培するだけではないのです。
その収穫したお野菜を加工・乾燥して、「菌ちゃんげんきっこ」というお野菜の粉末を作るのです。
これが腸を発酵状態にして、立派な「お便り」を出せる環境を作り、体の免疫力を高めます。
うさこも肌の色が明るくなったり、少ないけれど白髪がなくなったりしています。
すごおい、のです。
これが菌ちゃんふぁーむの主力商品です。
大体、午後はこのお野菜の加工調整と乾燥作業で、就業時間までにどの程度終えられるかが毎日の勝負です。
うさこも頑張るよ。
最初は目的も分からず、社員さん達が時間と戦いながら調整作業をしている中で必死についていく訳ですが、如何せん、
うさこは目的の分からない単純作業が結構苦手なのです。
何のために。何が目標なのか。この作業は何を意図しているのか。
理屈っぽいのですが、仕事をする上ではそういうことが大事だと思っています。ただのアルバイトのうさこにはあまり知らされないそういう情報がないことで、士気を保つのが難しくなるうさこ。
そして、時々言われるのですが、うさこは動作が遅いらしいんですね。
教習所でも、「うさこさんは動作がゆっくりなので、運転でもあまり急がないように気をつけましょう。」と言われて、内心、すごくびっくりしたことがあります。
うさこは物凄い速さでこなして、会心の出来だと思っていたから…。
そんなこんなで、ただでさえ動作がゆっくりめなのに、さらに目的が曖昧な単純作業の連続だと、自然と動作も遅くなるのですね。
一番苦手で、最後まで全然速くならなかったのが、ヤーコンの調整作業でした。
ヤーコンは傷みやすく酸化しやすいので、そういう部分を削り落としてから乾燥機にかけるんです。
それがなかなか捗らなくて。
そして、宇宙人ハーフのM氏から、ご指摘を受けることになったのです。
うさこさん、遅いっす。
「うさこさん、他の人は同じ時間に始めてこれだけの作業をこなしているのに、うさこさんはまだこれだけ。遅いっす。」
コンテナを見せられて、そう言われました。
その前に、ちょっとヘマもしていたのですけどね。だから尚更でした。
何かねえ、他にも色々な人間関係の展開があって、感情目盛りが人より細かい宇宙人うさこは、その日は既に目盛りの針が振り切れそうになっていたのでした。
そこにM氏のご指摘を頂いた。
午後の調整作業は無言で死に物狂いで頑張りましたけど、まあそれがうさこの標準速度なので全然速くなりません。
ただ必死なだけ。
結局、夜ご飯の時に同じくアルバイトに入っていたカズエねえさんから温かいお説教と助言を受けて、感情の針は目盛りを完全に振切れてしまい、うさこはぼろぼろと泣く始末でした。
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