退職してから、面白い方達と繋がるようになって、古武術教室にご縁ができました。
古武術は少しずつ有名になってきていますよね。古武術という単語をどこかで聞いたことがある人も多いんじゃないかなと思います。
この記事で、書道と古武術との関係について触れているので、興味がある方は是非見てみてくださいね。
古武術は、日常生活や仕事に活かして体が故障しにくくなったり、特に介護現場などで介護職員が体を痛めず仕事ができるように役立っていることで有名ですよね。
古武術を一躍有名にしたのは、かの有名な甲野善紀さんですが、実は他にも古武術で色々な分野に貢献し活躍されている方はいらっしゃるんです。オリンピック選手やパラリンピック選手、その他の種目の日本代表を担う選手も、古武術の知恵を取り入れて練習している方がいらっしゃるそう。
うさこが習ったのは、こちらの伊藤悟先生です。
今日は、うさこが出会った古武術の世界への入口と、古武術の知恵を取入れた生活の効果をお伝えします。
古武術とは
古武術とは何ぞや。
…うさこも詳しい定義はよく分かっていないんですよね(笑)。
でも、少なくとも武士の時代である鎌倉期ぐらいからは確実に使われていた武術なんだろうなと想像しています。負傷した武士を古武術の技で治してすぐ戦場に戻すなんていうこともやっていたそうですよ。
『平家物語』を読むと、落ち延びて身分を隠した平家の武士が、源氏に一矢報いるために身分を隠しながら、鎧を着て海底を歩くなど武術の練習をしている様子が描かれていたりします。古武術的要素がふんだんに使われていたであろう源平の戦いはどんな様子だったのかなあ。『平家物語』で名乗り合って合戦を繰り広げていた武将達の姿を想像します。
平家物語も泣けるよね…。
ちなみに、鎌倉は見える人が見ると、今でも源平の合戦の落武者達がそこここにいるみたいですよ。『鎌倉ものがたり』っていう漫画がありますが、あれは本当にある出来事に近い描写らしい。うさこは霊感が全くないので、本当にそれでよかったと思うけど、武士達の様子が直接見れないのは残念なような氣もする。
…話が逸れた。
明治の廃刀令と四民平等で武士の世界が終わりを迎えた後も、実は連綿と古武術の知恵と技が継承されてきていたみたいです。まあ、実際にここに先生がいらっしゃいますからね(笑)。
それで、何で古武術と日常生活に繋がりがあるの?と言うことなんですが、昭和までは多くの日本人がこういう體の使い方ができていたようで、その感覚を取り戻して日常に活かそうと言うことなんです。
これは、昭和初期に山形県庄内地方で撮影された米俵を担いだ女性です。
とは言え、この写真は実際には2俵は籾殻でお米が入っているのは3俵、観光用に撮影された物だということです。ちなみに、1俵=60kgです。
3俵だとしても180kgですから、それだけでもすごいですよね。
2俵は籾殻だという情報については、下記が、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している「レファレンス協同データベース」の記載です。
引用元はこちら↓
日常生活のどこに活かすのか
古武術って聞くと、何か特別なことをしなければいけないのかと思うかもしれませんが、そうでもないんです。普段、生活の中で使われてきた物や所作にも、実は古武術的要素が詰まっているんですよ。
例えば、こんなことだよ。
日本は紐文化ですよね。鉢巻も腰帯も襷や着物の紐にも、窮屈なように思えて、実は體(伊藤先生はこの體・からだの漢字を使われます)の機能を向上させる力があるんですって。これ、実際にやってみると自分で体感できるんです。
そして日本人が昔からしている所作にも、実は古武術的コツが秘められているんですよ。
お辞儀とかね。
お辞儀は、あの動作を取ることで體が整うんですよ。それが結果的に他人の目には綺麗に映るということなんですね。あれは相手への敬意を表すのと同時に、自分の體も整えて鍛えている動作だったんです。
だからお辞儀も礼儀作法も大事なんだね。
これに付随して、利き手にもう片方の手を添える意味もちゃんとあるんですよ。日本人が小さい頃から躾けられてきた所作では、必ず左手(利き手じゃない方の手)を添えるように言われますよね。つまり両手を使うんです。湯呑みでお茶を飲む時、筆やペンで字を書く時、食事の時にお茶碗を持つこととか。
あれって、どうしてだと思いますか?その理由を説明できる人っています?
ほとんどいないと思うんですよ。うさこも知らなかったし。
でも、そこにはちゃんと體のことを考えた意味があるんですよ。
さらに、この時に小指を揃えることにも効果があるの。
などなど。意外でしょ。
そして面白いですよね!
あとは、體は素材の違いを敏感に感じ取っていること。身に着ける服の素材や使う道具の素材によって、発揮される力が変わるんです。だから、天然素材の下着や洋服を着るのもかなりいいみたいですよ。
こぼれ話だと、
褌を履くと走るのが速くなるとか(笑)。襷掛けは、単に袖をまくるための物ではなく身体機能を強化するとか。ほんとですかってツッコミたくなる話がたくさんあるの(笑)。
うさこ的実践の効果
うさこは古武術の知恵を生活に活かして、以下のような効果を体感したよ。
- 包丁を研ぐのが上手になった。(體の使い方の工夫で、力を込められるようになる。)
- 古武術体操で丹田と足腰が鍛えられた。(軽く腹筋が割れた。重い荷物を軽く持てる。)
- 體の感覚に敏感になった。(墨汁と墨の違いを感じる。生理用ナプキンの相性が分かる。)
- 姿勢や日常の所作を大切にするようになった。(普段の仕草が綺麗になる。)
- こまめに掃除をするようになった。(體の整い方が違う。)
- 生卵を立てられる。(体幹が整う目安になる。)
特に、色んな物に触れた時の體の反応に意味があることを知ってからは、使う物や選ぶ物が変わりました。生理用のナプキンとか、下着とか、パジャマとか、シーツとか。筋肉の強張りが全然違うんだもん。
加えて、お茶を飲む時に左手を添えるとか(聞き手が左手の場合には右手)、書道の時に左手を必ず添えて、両手の小指を揃えるとか、そういった所作の効果も感じるようになりました。
あと、卵料理をする前に、必ず生卵を立てる練習をするようになった。何してんだろう(笑)。でも、古武術体操をすると本当にすぐに立つので、自分でもびっくりするんですよ。
ここまで読むと、礼儀作法とか見えないところから日常で使う物まで、全てに體を整える仕組みが仕掛けられている日本の文化って、すごくない?
卵立てじゃなくてね。写真をいっぱい載っけちゃったから、印象が強くなっちゃったけど。
日本の所作に込められた古武術的意味のすごさね!そっちを言いたい。
うさこはこの日本の所作に秘められた効能を知った時に驚愕しました。理由も分からずに、躾として先生や親や大人達から言われてやっていた所作や作法には、実は全部意味があったんです。
いいですか、ここはテストに出しますからねー。もう一回言いますよ。
日本の所作や作法には、実は全部意味があったんです。
日本人の生活には、全てに體を整えるための<糸=意図>が張り巡らされているんです。昔の日本人の知恵って、どこまですごいの。
伊藤先生の古武術教室では、そういうことを学べるんです。(最後にもリンクあり。)
まとめ
いかがでしたか?楽しんでもらえたらいいなあ。これでも古武術の魅力やうさこが体感した古武術のすごさを書き切れていないんですけどね。
古武術を日常生活に活かした効果はかなりすごかったよ。
実際に、伊藤先生は高校教諭時代に古武術の知恵を使って、ヤンキー少年達を運動部の全国大会や各種大会に導いたんですって。生徒達自身が驚いていたみたいです。そりゃそうよね。さらに、大学進学なんてバカな夢を…と思っていた子達が大学進学を目指して合格するとか、崩壊しかけていた高校をいくつも立て直して来られたそうなんですよ。
現代でも古武術の知恵は威力を発揮しているんですね。
伊藤悟先生のホームページにはYouTubeチャンネルも貼り付けられているので、そこから日常生活にも使える技を学ぶことができます。また、全国を行脚して古武術教室を開催されているので、興味のある方はぜひ古武術教室に参加されて、その効果を体感してみてくださいね。
ホームページはこちらから。
本の紹介
本文中に出てきた本を紹介します。以下は本の宣伝を含みます。
『謹訳 平家物語』林望著、祥伝社。全4巻。
リンボウ先生こと林望さんが現代語訳された平家物語です。林望さんが「源氏物語と並んで日本文学を代表する物語」と言っているのが、この平家物語です。栄華を誇って時に傍若無人を働いた平家が、源氏に滅ぼされてゆく様が泣けます。物知りな知人が言うには、全国に平家の落武者伝説が残るのは、源氏が平家を一人残らず滅ぼしたからだとか。チコちゃんによると、運動会の紅白の組分けも源平の合戦から来ているんですってね。日本史にものすごく感情移入できます。そんな方はこちらから↓
『鎌倉ものがたり』西岸良平著、双葉社
『DESTINY鎌倉ものがたり』で堺雅人さんと高畑充希さんの共演で映画化された原作の漫画です。原作の漫画は鎌倉市内の飲食店に入ると置かれていたりして、少し読んだんですが、割とどろっとした仄暗い話が多かった(笑)。でも映画はそこをまろやかにしてファンタジー仕立てにしている感じなので、観てみたいと思っています。著者は『三丁目の夕日』の原作者でもあり、映画化は『三丁目〜』と同じ山﨑貴監督なんですね。
1巻だけ貼っておきます。
こう言うことを掘り下げてばかりいると「この人って変わってるな」と思う人から「変態」と呼ばれます(笑)。えええ、あなたから言われる訳?
そんな変態が書いた今日の記事も楽しんで頂けたら嬉しいです。
記事の内容や紹介した本についての感想やご質問もお待ちしています。氣軽にコメントをくださいね。
では、またね!
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