「時の流れと猫へのお詫び」

体験

 今月の初めから、しばらく不思議な時間の中にいました。

菌ちゃんふぁーむでのアルバイトからの流れ

 今月の前半は、長崎県佐世保市にある菌ちゃんふぁーむにえいやっ!とお邪魔して、アルバイトと農業体験をしていた。

菌ちゃんふぁーむ
菌ちゃん先生こと吉田俊道さんと農場

 盛り沢山の菌ちゃんふぁーむの日々の後、帰郷してすぐに伊藤悟先生の古武術講座に参加する。伊藤先生は、五輪選手や映画等の指導もされる知る人ぞ知る古武術の指導者だ。

 翌日はわたしの車を出して、整体師である友人のたけさんと一緒に伊藤先生のお供をした。

 須賀川市へ日本刀の展覧会を見に行き、その後会津の観光と言うか、歴代会津藩主を哀悼するお墓参りとお祓いの旅をした。先生のお役目に同行することができて、とても光栄だった。

 その日の夜は、福縁の宿で天性の舞手三輪福さん達に合流し、矢萩さんの豪華な夕食を囲んだ。未来を開くための要人が集う顔合わせのような場になった。

福縁の宿の夕餉
福縁の宿の夕食

 昨日は昨日で、畑をお借りしているおばあちゃんの家でおばあちゃんの友人チサトさんの手料理による夕食会だった。

 このチサトさん、写真家でピアノと英語の講師をされている本当に多才な方だ。教え子には東大や有名私立大学に進学している方もいるそうな。学び方について、わたしの方が教わることが多かった。賑やかで心温まる夕食だった。

 この間に体験したことをまとめたくてもその暇すらない。

 特別な出会いが連なり続け、何だか凄い時の流れの中にいる。

寂し思いをさせた猫

 そうやって各地をほっつき歩き、留守にしていたわたしに怒っていたのが、おばあちゃんの家で飼っている仲良しの猫ちゃんだった。

 何と言っても、16日間+3日間留守にしていたもんね。

 おばあちゃんの話では、「お姉ちゃんはしばらく来ないんだよ」といくら言い聞かせても、わたしが来るのを毎日いつもの場所で待っていたそうだ。

 昨日はわたしの気配を察して食卓の隣室でわざと大きな音を立て、会いに行くと強硬にわたしを避け続けた。

 ようやく撫でた時には、「本当に僕は寂しかったんだよ。」と恨めしそうに怒り泣きの目をしていた。

 ごめんね。

 猫の気持ちが痛いほど伝わり、わたしも泣いた。みんな、猫の反応に驚いていた。

 猫は帰る時もわたしを外で待っていて、りりりりと鈴を鳴らしながら車まで走ってついてきた。扉を開けるとすかさず車内に入り、降りることを拒む。

 今夜は車中泊でお付き合いするしかないかなあ。心の中で苦笑しながら、初冬の福島の冷気の中で猫とまどろんだ。

夜明け

 これで半月位以上不在にした不徳を埋められたかしら。

 短い眠りと短い夢を繰り返すうちに、東の空が白み始める。

 聴き覚えのある鳥の鳴き声がする。もう白鳥が飛来した。

 猫と一緒に、頭上低くを山型の陣形で飛ぶシベリアからの美しい使者達を仰ぎ見る。

 東から上る太陽が薄暗がりの雲を貫いて、紅葉に彩られた西側の山々を明るく照らす。

 久方ぶりに浴びる郷里の朝日がとても眩しかった。

ぴとっとくっついて離れない
ぴとっとくっついて離れない朝

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