『ぐだぐだうさこ集』(随筆)

体験・随筆

はじめに

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『ぐだぐだうさこ集』

 みん天の朝活にて潜在意識の講座を受けているところによると、人間の意識には恒常性維持機能、または現状維持機能と呼ばれる生命維持を果たすための機能があって、それが新しい自分に変化することを強力に阻む要因になるらしい。

 この恒常性維持機能によって、人間はこれまで生命を長らえてきた方法を頑なに守ろうとするらしい。その方法が例えその人にとって苦痛な人間関係を伴うものであっても、どれだけその人を低い状態に留めようとするものであっても、この方法で生き抜いてきたんだからねっ、と義理堅くその方法を貫こうとする。

 その方法が詰まった領域を「快適領域」と呼ぶ。どんなに不快でも、困難を伴う道でも、とにかく「そこで生きてこられた」という情報を基に、本能は自分をそこの領域に留まらせようとする。

 人は成長したいと望む生き物だが、その反面、本能は実は強固に変化を拒んでいる。いいとか悪いとかなど関係なく、「これまでなぞってきた道が正義」の、超慣例主義者なのである。

 我々は成長のためにその快適領域を出なければならない。けれども、そこにこの超慣例主義のも一人の自分が立ちはだかる。境界線を一歩出ようものなら、「ちょっと危ないからそこから出ないでよっ」と力尽くで現場に引戻して来る。

 こんなことやっていて意味あるのかな。あたしってどうせ何をやっても変わらないんだし。と、不安な思考をぶううっと脳内に吹き込んで、頭やお腹を痛くしてでも、あらゆる手を尽くして新しい世界に踏み出さないようにする。

 彼女達(わたしの中では)のせめぎ合いを攻略する方法としては、本能が氣付かないほど小さく小さく、毎日少しずつその境界線を広げていくことだと提起される。

 先日、わたしは書道の月の課題をほぼ一日で仕上げた。今までは「こうしなければならない」と義務感で取組んでいて苦しかったのを、天使の札からの助言を採入れて、遊び心を大事に楽しみながらやってみた。すると、苦痛は当社比の半減以上に減り、疲れもそれほど大きくなく一日で9つの部門を仕上げることができた。

 あたしってやればできる子だと思っていたけど、本当にできるんだわあ。課題を楽しむって子供の頃から知ってはいたんだけど、周りの子から軽蔑されるような疎まれるような感じになるから抑えていたんだよね。でも、これからは解放できるかもしれない。新しい境地に立てた感じがして、大分氣分は晴れやかだった。

 こういう時に、大抵本能が反撃を仕掛けてくるのである。

 わたしはこの本能による恒常性維持機能のことを、現状維持機能の現を取って「現子さん」と呼んでいる。現子さんの魔力は凄まじいのだ。

 この日の夜も、快調に課題を進められためでたき日なのに、夜が更けるにつれて、「こんなに楽しんで過ごしていていいのだろうか」と不穏な思考をせっせと脳みその中に送り出してきた。

 翌朝、起きてみたらわたしの頭の中は否定的な思考でたぷたぷに満ちていたらしい。

 ちなみに、わたしは毎朝6時半から始まるみん天の朝活には参加していない。そんな時間に起きられないのです。ずっと不眠氣味で眠りが浅いし、朝起きるといつも疲れているからである。なので、録画版で朝活を視聴している。その方が文字起こしもされていて、動画も高速再生ができるから都合がいいのですけどね、と言い訳をする。

 その日に見た講義で、この現子さんに影響を与える潜在意識は、頭の中で再生される自分の声、つまり内声に大分影響されていること、そのためその内声に氣付く練習として、起きがけの15分程度で頭に浮かんできた言葉を書き留めようという課題が出ていた。

 否定的思考が洪水のように溢れていたその日のわたしは、試しにノートに書き出してみた。

目立ちたくない。

実はお金なんて入んなくていいって思ってる。

それよりも動きたくない。やりたくない。

動いただけ周りに色んなことが起こるから。動くと、そこで起きる色んなことを引受けなきゃいけないんだもん。

進みたくない。物事を進めたくない。

目立つのが嫌。

こんなことに価値なんてあるのかな。(*)

こんなことをやって意味あるのかな。(*)

あたしブスだしっていうのは、何もしたくない言い訳なんだよね。

はあ、わかってるよおおお。

わかめTシャツ売ればいいんでしょう。

地球防衛軍Tシャツだって、完成形を目指す前に売ればいいんでしょう。

やる氣ないあたしもいるんだってばあ。

てか、やる氣のないあたしの方が多いよね。今までの流れを鑑みるに。(急に難しい言葉を使う)

ご飯食べたくない。

前に進みたくない。何あるかわからないから怖いもん。

いいことなんてあるわけないし。

こんな女、男に面倒臭がられて捨てられるわ。

不貞腐れたあたしもいるし、キラキラなんてしてないわ。

ロゴも適当に作って出しゃあいいって話でしょ。完成度にこだわってこうやっていると全然進まないよってことでしょ。

 書いていたら、楽しくなってきた。

 数秘術の運命数33、使命数11のわたしは、どちらを取っても目立ってしまう性らしい。目立ちたくない。隠れていたい。それは子供の頃からずっと思ってきた。

 そして、子供の頃からいい子ぶってきたよなと思う。そういう自分に対して、頭の中で「いい子ぶりやがって。そんなのお前じゃないだろ、お前はもっとずるくて汚い奴だろ」って、暗くせせら笑う声がする。

 そうそう、そうなんだよ。あたしは結構汚くて嫌な奴なんだよ。そんな自分を今まで隠して見ないふりをしてきた。押さえ付けようとするから、暴れるんだ。

 だめなあたしを認めてやれ。

 そう思って、「現実を生きるリカちゃん」という動画番組を久々に開いた。「現リカ」と呼ばれるこの動画番組は、ぐうたらな私生活を取り繕いながら生きる女子の素顔をリカちゃん人形のコマ割り撮影で再現した動画が人氣で、あまりにも現実味を帯びた赤裸々なだめっぷり女子の暮らしの描写に、「分かるっっっ」と現実を生きる大勢の女子達の圧倒的な共感と支持を得て、怪物級の視聴者数を誇る。

 今のあたしなら、完全に共感できるに違いない。

 そう思って見たものの、ここまでではないかもしれない、と少し氣分が落込んだ。

 ごめん、現リカ。裏切ったようで申訳ない。退職後の時間の余裕を以て、わたしは手料理の美味しさも掃除の氣持ちよさも少しだけ知ってしまった。もちろん、前は台所もお風呂の排水溝もネトネトになるまで掃除していなかったし、お手洗いの掃除も汚れたら嫌々やる派だったよ。でも、簡単な拭き掃除をするだけでも体の機能が上がるんだって知ってからは、せめて床拭きシートで床を拭く女になってしまった。こんなあたしにも、健全さという別な生存本能がかろうじて残っていたらしい。

 現リカ、教えてくれてありがとう。

 その日はこの後にちょっと屈辱的なことに直面したんだけれども、夜にはそんな惨めな思いをするのも経験よ、と心も浮上していた。あたしなんて、そんなもんだ。

 全部自分の力でやらなければと思っていても、実際にはそうできない自分がいる。不完全でしょうもない人間なのである。できる部分もあるのに、人よりできない自分であろうとしてしまう不健康な習慣も抜けない。自己否定癖も割と顔を出す。現子さんは健在だ。

 ご飯なんて、面倒くさくて食べたくない、けど腹は減る。こんな日は朝昼一緒の超手抜き穀物食だと思ってザラザラとお皿に空けた穀類や木の実達の絵面を見つめる。こんなにやる氣がない癖に、意外に健康的な食事をしている自分が可笑しくなる。

 人には、美点も汚点も両方あるのだ。だめな自分を認めつつ、長所を褒めてあげられたらいいのかなと、そう思う。

 それでも、ある友人が言ってくれた。

 「うさちゃんはこの先もこのままでいきたい感じなの?

 私は、うさちゃんが心地よさのためにその高い美意識を使い始めたら、どんなに美しい世界が広がるんだろうって、そっちに興味があるけとね」

 そういえば、そんなことを言ってもらっていたな。

 現子さん、そうらしいよ。ちょっとは手を緩めてもらえたでしょうか。

まとめ

うさこ
うさこ

 この日の書出しをしてみて、わたしは子供の頃からいいかっこしいだったんだよなと腑に落ちまして。このブログを書いている前夜の天使の札が「委ねて手放しなさい」だったので、もういいや、書いてやれと思って「できるわたし」を手放してみた(笑)。

 この前、知人のお姉さん達と集まった時も、みんなそんな感じでほっとしたんですよね。肩肘張っていても仕方がないし、と自分に言ってみる。

 現リカは、赤裸々なぐうたらっぷりの中で、仕事のことが頭から離れず眠れない日があったりして、何か健氣に生きている姿に愛着が湧きました。前のわたしだったら、自分の現実を完全に棚に上げて、そうは言ってもあたしは違うと思っていたと思うけど、そこは一つ肩の力を抜けたのかなと思う。

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